ヌガ パリ祭 quatorze juillet

1789年に発生したフランス革命の一周年を記念して翌年1790年におこなわれた建国記念日が起源となり、フランスで7月14日に設けられている国民の休日がパリ祭です。1933年、映画『QUATORZE JUILLET』が邦題『巴里祭』として公開されヒットしたため、日本では「パリ祭」としてこの日が記憶されるようになりましたが、フランスでは日付をそのまま「QUATORZE JUILLET(キャトールズ・ジュイユ)」と呼ばれています。
1963年より、日本では歌手が集結してシャンソンを歌いあうイベントが開催され、このイベント自体の事を「パリ祭」として記憶されている方も多いかとは思います。ヌガでも、オープン初年度より7月14日に一番近い週末の1日に、「パリ祭」と題したコンサート&食事会を開催しています。

profile

和サブロー

京都市出身。パリ在住。
フランスでのキャリアはすでに35年を越す。
パリを始めヨーロッパ各地でコンサート、テレビ出演等で活躍中。

2000年
フランス政府より芸術文化勲章 ”シュバリエ章“を授与される。
2006年
日本での活動を意欲的に開始。パリのミュージシャン、スタッフと 制作したCD「Maladies d’ amour ~恋の病」を日本初リリース。発売記念コンサートを各地で公演。
2008年
DVD「巴里×京都=和サブロー」をリリース。
2009年
パリを想い日本の詩人を歌う「L’etranger ~異邦人」をリリース。
2010年
平城遷都1300年を記念して奈良薬師寺、なら100年会館でコンサートを開催。
2012年
オリジナル曲CD「俳句・椅子」をリリースし、「俳句」がNHK・Eテレ「俳句王国がゆく」オープニング曲に採用される。
2015年
「和サブローコンサート」~琳派400年記念を祝して歌う~京都ALTIホールにて開催。「小椋佳“歌50年めちゃんこ鍋の会”明治座特別公演」にゲスト出演。

京都からフランス、そして日本へ、活躍の舞台がひろがる。

Message from WASABURO

東京渋谷にとてもシックでおいしい『シノワ』というフランス料理店がある。
シノワ~chinois はフランス語で中国のとか、中国人とかという形容詞で僕がフランスで耳にした最初のフランス語の一つなので親しみがある。
なぜこれがフランスで最初に耳にした言葉なのかというと、その当時はパリの街でよく人に指を指されて「シノワ!中国人」と言われた。
きっと戦後間もなく日本の街を歩いている西洋人は日本人にとってすべてアメリカ人に見えたのと同じで、多くのフランス人にとって僕は東洋人、そして東洋のどの国も違いは見えなくてすべて中国が代表、代名詞になっていた。
いまでこそテレビやインターネットのお陰で世界は狭くなったが、僕がフランスに住み始めた1973年にはパリの街に公衆電話は無くテレビも2チャンネルだけ、それも朝と夜の数時間しか番組が無かった。日本のあらゆる街には赤色の公衆電話があふれてテレビも朝から夜まで通しで複数のチャンルで番組が見られた時代である。今とは違って当時まだ海外旅行に行く日本人の数は少なく、当然フランスにも今程の日本人は見られず、日本がエコノミックアニマルとして世界に名を成し始めた頃である。19世紀末から20世紀初めにかけてのパリ万博で浮世絵と共に日本文化がフランスの知識人、芸術家の間でもてはやされ注目された時代も終わって特に一般のフランス人には東洋=中国という意識しかなくなっていた。驚くべきはフランスとモナコのように日本も中国大陸の一部であると信じているフランス人に何人も出会った。

話が横道にそれてしまったがこの僕にとって懐かしい思い出が一杯の「シノワ」という言葉のレストランは渋谷のビルの中にある。室内のしつらえがこの名の通り西洋を基調としたなかに東洋趣味(シノワズリ~chinoiserie)をうまく生かしたシックで品のいいお店でそこでいただける数々のフランス料理にもまた東洋(主に日本なのだが)がうまく感じられて僕の大好きなお店の一つになっている。この『シノワ』のオーナーの後藤さんは知る人ぞ知る有名なソムリエで食に造詣が深くその上にクラシック音楽がお好きなシックで品のある若い男性である。シノワは渋谷と銀座に2店舗あってそれぞれが大変繁盛している。

そこに今月3軒目の店が開店した。この店の名前はシノワではなく『ヌガ、le nougat』という。皆さんご存知のフランス菓子「ヌガ」である、が、名前の由来はフランス菓子ではなくて僕の歌のレパートリーの中の『ヌガ』である。僕が随分以前から懇意にして頂いているご夫妻に連れていただくお店がシノワで、そのご縁で昨年シノワで歌う機会を得た。そして3件目の店に僕の歌の題名が付き、店の看板には僕のCDのブックレットにのせてあるあの不思議な象を選んで下さった。ちょっと余談だがこの象のイラストは僕の息子がパリの自宅で描いた絵で、よくみて頂くと歌の内容通り象がシャワーを浴びている場面が絵になっている。1月13日の『ヌガ』の開店パーティには招んで頂いただき歌った。ヌガは銀座松坂屋の3本裏の通りにあるフランス風ビストロでシノワ同様においしいワインが豊富に揃っている。料理はシノワと比べていわゆる家庭料理、普通フランスでみんなが気軽に食べる料理が揃っている、それも前菜、メイン、デザートを含めて60種類もの品が揃っている。店内はシノワとは趣が異なりビストロの名にふさわしく気軽に入れる雰囲気があって僕が今までに行った事のある日本のどこのフランス風ビストロよりもよりパリ的でパリに帰ったような気分になる。といっても日本にありがちな「あんた、ここはフランス料理の店どっせ、わかったはりまっしゃろな、フランスどっせ、日本とは違いまっせ!」というような押し付けがましい勘違いは店の何処にも無く、もひとつ言えばやはりシノワと同じく、素晴らしい日仏カップルで生まれた家庭の様に二つの文化が気持ち良く、仲良くそこにある。料理はフランス、もてなしは日本というように。それで肝心のお料理は、あのおいしいシノワの3番店なので特に驚く事は無いのだが、それでもおいしい!!ほんまにおいしい!

僕が先日ご馳走になった時のメニューを書いてみると、

  • ブランダード(タラの身をほぐしてジャガイモとニンニクで作る南仏の料理、僕の好物の一つ、これが東京で食べられるとは嬉しい)
  • 本日のスープ
  • マッシュルームとクレソンのサラダ
  • たことクスクスのサラダ(僕はクスクスが大好きで毎日でも飽きない!)
  • フランス産鳩のロースト
  • 骨付き仔羊のロースト
  • チーズの盛り合わせ

デザートは

  • ガトー・ショコラ+エクスプレッソ

食事中お酒の飲めない僕はフランスのガス入りミネラルウオーター、バドワを飲んだ。Badoit バドワが飲めるんです!ヌガでは!何とようけ食べて!と思われるだろうが二人で分けました。念のために。それでもお腹いっぱいにいただきました。1人前がちゃんとした量で出てくる。一つ一つのお皿に満足いく様に量はしっかりしていてこれも嬉しいことの一つ。すてきなマダムと気持ちのいい若いギャルソンが揃ってヌガの料理をより楽しく、よりいっそうおいしくいただける空間が出来ている。東京にいつもいない事がとても残念!いれば毎週通うのに!皆さん、どうぞ僕の分もおいしく、楽しんで来て下さい!

ヌガ パリ祭 quatorze juillet

第15回 
2024.7.13 Sat 12:00-15:00 / 16:00-19:00

●時間
第1部12:00-15:00(開場11:45 コンサート12:00-13:00ワサブロー出演)
第2部16:00-19:00(開場15:45 コンサート16:00-17:00ワサブロー出演)
●定員/各回20名様限定
●金額/19800円(シャンパーニュ、ワイン、お食事、消費税・サービス料込み)

●出演/ワサブロー、中島徹(ピアノ)

program

1 パリ祭
2 後には何もない後には何もない
3 街
4 サクランボの実る頃~糸紡ぎ
5 僕たちの恋が残したもの
6 ユカリそして今は
7 水に流して
       
アンコール  ヌガ

menu & wine

  • N.V.Frederic Maltrez Brut Reserve
    フレデリック・マルトレ・ブリュット・レゼルヴ
  • 2015 Chateau Carbonnieux, Pessac-Leognan
    シャトー・カルボニュー(ペサック・レオニャン村)
  • 2013 Chateau de Fieuzal, Pessac-Leognan
    シャトー・ド・フューザル(ペサック・レオニャン村)

Amuse アミューズ
スイートコーンのムースと生ウニ・コンソメのジュレ
Entree アントレ
和歌山県産鮎のパテとフリット コンパレゾン
Poisson 魚料理
明石産舌平目のムニエル ブールブランソース
Viande 肉料理
函館大沼牛ランイチ・ローストビーフ仕立て 熟成芋のピューレ リヨネーズソース
Dessert デザート
バラのヌガグラッセ
quatorze juillet パリ祭のお申込み

phone. 03-6254-5105

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